本記事は、獣医師監修のもと、キャットフードの原材料表示の正しい読み方と、
愛猫の健康を守るための「新しいものさし」について詳しく解説します。
キャットフード売り場に行くと、数百円のものから数千円のものまで、驚くほど価格に幅がありますよね。「高いフードの方がやっぱり良いの?」「安いフードは体に悪いの?」──愛猫のためを思えばこそ、悩んでしまう方は多いのではないでしょうか。
実は、この価格の差の裏には「原材料の質」や「添加物」が大きく関わっています。価格が高いからといって無条件に良いフードとは限りません。一方で、安いフードはコストを抑えるために添加物を使って味や風味を強くしていることがあり、それがねこの偏食を引き起こす原因になっていることもあるのです。
では、その「添加物」とは具体的に何なのか。そして、本当に価値あるフードをどう見極めればいいのでしょうか。原材料表示の読み方や添加物の基礎知識を整理しながら、価格に左右されない「フード選びの新しいものさし」を紹介いたします。
1. まずはここから!特に気をつけたい「添加物」3選
フード選びの新しい基準を持つために、まずは多くの方が気になさる「添加物」について見ていきましょう。添加物はさまざまな種類があり、すべてが「悪いもの」というわけではありません。しかし、愛猫の健康を考えるなら、できるだけ避けたいものや注意したいものがあるのも事実です。
ここでは数ある添加物の中から、パッケージを見る際に特にチェックしておきたい「3つの代表格」とその役割をご紹介します。
酸化防止剤──フードの鮮度を守るもの
フードに含まれる脂質は、空気に触れると酸化して品質が劣化します。これを防ぐのが酸化防止剤です。酸化防止剤には大きく分けて「合成」と「天然」のふたつがあります。
合成酸化防止剤の代表格はBHA(ブチルヒドロキシアニソール)やBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、エトキシキンです。日本ではペットフード安全法により、BHA・BHT・エトキシキンの総量が150ppm以下と定められています(※1)。ただし、BHAはIARC(国際がん研究機関)により「ヒトに対して発がんの可能性がある(Group 2B)」に分類されており、ねこにおける安全用量は十分に確立されていないとの指摘もあります(※2)。
一方、天然の酸化防止剤としては、ミックストコフェロール(ビタミンE)やローズマリーエキスが広く使われています。合成品と比べると賞味期限は短くなる傾向がありますが、安全性の面で天然の酸化防止剤を選ぶ飼い主さまが増えています。
着色料──実はねこには必要ない
フードに鮮やかな色がついていると、見た目に美味しそうに感じますよね。でもこれは、人間の目を引くための工夫なんです。ねこは食べ物の良し悪しを「色」ではなく「匂い」で判断しています。つまり、着色料はねこにとって栄養的にも嗜好的にも不要な添加物といえます。
嗜好性添加物(パラタント)──「味の濃さ」の正体
「加水分解タンパク」や「風味増強剤」などは、フードの「味の濃さ」を作り出します。法律上の安全基準は満たしていますが、注意したいのは食習慣への影響です。濃い味に慣れたねこが、他のフードを受け付けなくなるリスクがあります。
獣医師がよく相談を受ける内容として、安価で嗜好性が高すぎるフードを食べてきたねこが、シニア期に療法食(治療用の食事)を一切受け付けず苦労するケースが多々あります。若いうちから「素材の味」という食の経験値を積んでおくことは、実は何よりの健康管理のひとつと言えるでしょう。
2. 原材料表示の「読み方」を知る
添加物の種類をチェックしたら、次は原材料そのものの「中身」に注目してみましょう。パッケージの裏側に並ぶ言葉には、そのフードが「何を大切に作られているか」が隠されています。
ここでは、原材料表示を正しく読み解き、愛猫にとって本当に質の良いフードを見極めるために欠かせない3つのポイントを紹介します。
▲ 原材料や成分値は、パッケージ裏面の表示から確認できます。
Point1:原材料は「重量順」に並んでいる
キャットフードの原材料は、配合量の多い順に記載するルールになっています。つまり、最初に書かれている原材料が、そのフードの「主成分」です。ねこは完全肉食動物(obligate carnivore)ですから、先頭に動物性タンパク質(チキン、サーモン、ターキーなど)が来ているフードが望ましいですね。
Point2:「チキン」と「チキンミール」と「肉副産物」は違う成分
同じ「鶏肉由来」でも、表記によって中身が異なります。「チキン」は鶏肉そのもの(水分を含む生の状態)。「チキンミール」は乾燥・粉末化された鶏肉で、水分を除いた状態のため重量あたりのタンパク質含有量は高くなります。一方、「肉副産物」や「家禽副産物」は、内臓や骨を含む可能性があり、品質にばらつきが出やすい原材料です。
大切なのは、何の動物のどの部位が使われているかが具体的に明記されているかどうか。「ミートミール」「動物性油脂」のように動物種が特定できない曖昧な表記には、注意が必要です(※3)。
Point3:成分の数値をチェック
パッケージには「粗タンパク質○%以上」「粗脂肪○%以上」といった保証成分値も記載されています。数値の比較は参考になりますが、これだけでは原材料の品質や消化吸収率まではわからないんです。数値と原材料表示の両方を見ることで、より正確なフードの姿が見えてきますよ。
3. 「高いから安心」から卒業!フード選びの基準とは
一般的に、高価格なフードほど良質な原材料を使い、添加物を控えている傾向にあります。しかし、「高いから安心」と盲信するのは禁物です。高価でも内容が伴わないものもあれば、手頃な価格でも真摯に作られているものもあります。
大切なのは、価格そのものではなく、その裏側にある「ねこの健康を最優先にした品質の基準」を見極めることです。
先ほど紹介した「原材料の順番」「添加物の種類」「表記の具体性」といったポイントは、品質を読み解くための重要なヒントになります。パッケージの裏側から作り手の姿勢を一つひとつ確認していくことで、本当に愛猫の健康寿命を考えて作られているフードが見えてきます。
パッケージの「裏面」が教えてくれること
フード選びに正解はひとつではありません。でも、「高い方が良い」「安いからダメ」という思い込みから自由になるだけで、選択肢はぐっと広がりますよ。
次にフードを手に取るときは、ぜひパッケージの裏面をじっくり眺めてみてください。これまでご紹介したポイントを少し意識してみるだけで、あなたの愛猫のための「食の選択」は、より豊かで納得感のあるものになるはずです。
ユニアムでも、獣医師の知見に基づき、添加物に頼らず素材の力で栄養と美味しさを両立させるという、譲れない基準を追求しています。愛猫の健やかな毎日のために、私たちがこだわり抜いたフードの詳細は、ぜひこちらからご覧ください。
※1 ペットフード安全法(愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律)に基づく成分規格により、BHA単独75ppm以下、エトキシキン単独75ppm以下、BHA・BHT・エトキシキンの総量150ppm以下と規定。(出典:環境省「ペットフード安全法基準規格等」)
※2 BHAはIARC(国際がん研究機関)により「ヒトに対して発がんの可能性がある(Group 2B)」に分類。ねこにおける安全用量は確立されていないとの指摘がある。(出典:Veterinary Practice News, "Pet food additives")
※3 キャットフードの原材料は配合量の多い順に記載される。AAFCO(米国飼料検査官協会)のガイドラインでは、製品名に特定の原材料名を使用する場合の含有量基準(95%ルール、25%ルール等)が定められている。(出典:AAFCO, "Reading a Pet Food Label")
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